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ジカウイルス感染症(ジカ熱)のリスクアセスメントが国立感染症研究所から発表されています [ニュース]

ジカウイルス感染症(ジカ熱)のリスクアセスメントが国立感染症研究所から発表されていて、今日更新されていました。

全文はこちらです。【国立感染症研究所HP】



今日のブログでは、そのポイントを挙げます。

ジカウイルス感染症は、ジカウイルスを蚊が媒介する感染症です。
感染経路は蚊が複数の人をさすことによるものです。
ネッタイシマカ、ヒトスジシマカが媒介する蚊として確認されています。特に、ネッタイシマカはしばしば流行を引き起こしているそうです。


ネッタイシマカは、日本にはほぼいないといっていいと思います。ヒトスジシマカは本州以南に普通に生息しています。


「その他の感染経路として、胎内感染の発生が複数認められており、また輸血、性行為による感染が疑われる事例が報告されている。」

胎内感染とは、妊娠中に母から子へと感染することです。

「潜伏期は2〜12日(多くは2-7日)とされている。発症者は主として軽度の発熱(<38.5℃)、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、結膜炎、疲労感、倦怠感などを呈する」

臨床所見といって、いわゆる症状が書かれています。

が、必ず症状が出るということではないようです。

「一般的に他の蚊媒介感染症であるデング熱、チクングニア熱より軽症といわれている。また、不顕性感染が感染者の約8割を占めるとされている」

とあります。

同じ蚊が媒介する感染症であるデング熱やチクングニア熱より軽症といわれているのですね。

また、不顕性感染が感染者の約8割を占めるとされています。

不顕性感染とは、感染しても、無症状のまま経過することです。

また、

「不顕性感染の患者が感染源となりうるかどうか(その患者を刺した蚊が、ウイルスを伝播しうるかどうか)については今後の知見が待たれる。」

ということなので、どれくらいの感染力なのかは、よくわからないところがあるということがわかります。


「中央および南アメリカ大陸、カリブ海地域では、今後もしばらくはジカウイルス感染症の発生が続くことが予想され、発生国からの帰国者が国内でジカウイルス感染症と診断される症例が発生すると考えられる」

ということです。中南米で感染し帰国した人から感染者が出るだろうと予測しています。

今年は、リオでオリンピックがありますね。たくさんの邦人が渡航します。


ここからです。

「ただし、ジカウイルス感染症は大半が軽症例であることから輸入孤発例の公衆衛生上のインパクトは概して低い。」

社会的な衛生上のインパクトは低いとしたうえで、

「母子感染による胎児の小頭症との関連性について、詳細な調査結果が得られるまで、可能な限り妊婦及び妊娠の可能性がある人の流行地への渡航は控えた方が良いと考える。」


ニュースになっている小頭症との関連があるので、妊婦さんは渡航を控え用心してくださいと言っています。


「また、ギラン・バレー症候群との関連性は現在調査中ではあるが、国内での症例の発生に備え、神経症状の合併の可能性について臨床医が認識していることが望ましい。」


ともあります。

ちなみにギラン・バレー症候群は、免疫の抗体が、自分の運動神経を傷つけてしまい手足にまひがおきる病気です。医療機関に認識をしておくように促しています。まず初発の診断の際に重要と思われます。


「国内のヒトスジシマカがジカウイルスの媒介蚊となり、2014年のデング熱の国内流行と同様に輸入例を発端としたジカウイルス感染症の国内流行が発生する可能性は否定できない。」

国内で流行する可能性はあるとしたうえで、

「ただし、2015年4月に告示された「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」に則り、平常時から媒介蚊の対策が進められており、ジカウイルスの伝播防止にも効果が期待される。」

デング熱騒動以降に蚊の媒介する伝搬防止対策が進められていることに期待をしています。

「加えて、国内の蚊の活動期においては、ジカウイルス感染症流行国からの帰国者は、症状の有無に関わらず帰国日から10日間程度、忌避剤の使用など蚊に刺されないための対策を行うことが必要である。」

としています。まさにこの春から秋にかけてです。忌避剤って難しい言葉ですが、要は虫よけスプレーとかです。

南米から帰ってきた人は、2週間ぐらいは頑張って蚊に刺されないようにお願いします。

また帰国日から4週間は献血を自粛してくださいとのことです。


さらに、

「今後、諸外国と連携し、ジカウイルス感染症の臨床症状・検査所見の知見を収集していく必要がある。」

「また、妊婦がジカウイルス感染症を疑われた場合の対応について国内の体制を整備しておく必要がある。」

「ジカウイルス感染症と診断された患者に対しては、性行為による感染伝播に注意喚起をする必要がある。」

「また、わが国における小頭症の発生状況のモニタリングとその病因検索支援が必要である。」


としています。

最後に、

「以上のリスクアセスメントは、現時点で得られている情報に基づいている。事態の展開にあわせて、リスクアセスメントを更新していく予定である。」


と締めくくられています。

油断の出来ないことがまた起きてますね。地球はひとつですからね。


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タグ:ジカ熱
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